認定マスターになるための学習は、
不動産市場と金融資本市場の融合によって成長してきた「不動産証券化」の基礎を学ぶことです。
習得した知識や資格取得後のネットワークは
不動産に関する幅広いビジネスに役立たせることができます。
特に次の方は、マスター資格認定を目指すことをおすすめします。
不動産証券化協会認定マスターとは、
不動産と金融分野にわたる幅広い実践的な専門知識を有することを社会的に証明する資格です。
不動産の投資とファイナンス分野におけるプロフェッショナルの入り口に立つ人材として、
今や不動産投資運用業への就業には欠かせない資格といわれています。
2006年に一般公開されたマスター資格制度は、不動産証券化に関する高度な専門知識と高い職業倫理を有する者に「不動産証券化協会認定マスター(ARES Certified Master)」の称号※を与えるもので、資格認定のための学習と認定後の継続教育を通じて不動産証券化に関する実践的な専門知識を体系的に学ぶことができる教育プログラムとして、不動産証券化市場の健全な発展を人材育成面から支えています。認定マスターには、将来のリーダーとして、市場の発展を担う使命感を求めています。
※実務経験要件のみ未充足の方は「不動産証券化協会認定アソシエイト(ARES Certified Associate)」として認定。
不動産証券化協会認定マスター※ は不動産特定共同事業法の業務管理者としての能力の審査・証明事業として国土交通大臣より登録を受けています。これに関連し、認定マスターは、国土交通省が所管する不動産投資顧問業登録規程に定める総合不動産投資顧問業登録の人的要件である判断業務統括者の知識要件の1つとしても定められています。
また金融商品取引法制では、不動産関連特定投資運用業を行う場合の要件の1つとして、総合不動産投資顧問業の登録を受けていることが規定されていることから、認定マスターは金融商品取引法制においても重要な要件の一つとして位置づけられています。
※「不動産証券化協会認定アソシエイト」は上記の要件には当てはまりません。
実務経験を10年以上有するなど一定の条件を満たしたマスター資格認定者は、世界的に評価の高い英国の「RICS(Royal Institution of Chartered Surveyors)」※に、MRICS会員としてダイレクト入会が可能です。認定マスターの活躍の場は日本だけにとどまりません。
※RICSとは全世界に会員を有する国際的職業専門家団体
マスター養成講座であなたが学習する内容は、
不動産や金融・ファイナンスの基礎知識や関連する法制度を幅広く網羅しています。
これらの知識をさらに深めることで事業評価など資金調達に関する様々な業務に応用することが可能です。
不動産証券化協会フェロー
教育・資格制度委員長
田邉 信之
「不動産証券化」というと、言葉の響きから、何か専門的な特殊領域であるように感じ、自らの業務とは関係がないと思われることも多いようです。もちろん、専門知識を要する分野であることは事実ですが、不動産証券化がビジネスツールとして定着した今日、不動産の売買や開発にファンドやSPC(証券化のための特別目的会社)が関与するケースが飛躍的に増えていますし、不動産証券化で用いられる考え方や実務が不動産ビジネス全体にも大きな影響を及ぼすようになっています。また、不動産業に限らず、企業の資金調達において、従来型のコーポレートファイナンス(企業金融)だけではなく、不動産証券化を含むアセットファイナンス(資産担保金融)が活用されるケースも着実に増えてきました。不動産証券化は、不動産市場と金融資本市場が融合しつつ成長している市場です。従って、不動産証券化を学ぶことは、これらの各市場の基本的な制度、考え方を習得することでもあります。
最近では、不動産証券化の対象は、オフィスビル、住宅、商業施設ばかりでなく、物流施設やホテル、ヘルスケア施設、インフラ、さらにはアウトバウンドなどへと急速に拡大しています。市場発展の中核となることを期待されるマスターの有資格者は1万人に達しようとしており、そのネットワークも拡大しています。不動産証券化は社会資本や成長分野に国内外の投資資金を導入する役割を果たしており、これからもサスティナブル(持続可能)な市場の成長を通じて、多くのビジネスチャンスをもたらすことになるでしょう。
優れた実務能力
高い職業倫理意識
強い使命感
幅広いネットワーク
マスターの資格認定申請には、「マスター養成講座」の全課程を修了し、かつ一定の実務経験(2年間)※を有していることが必要です。さらに資格認定後は、不動産証券化協会が実施あるいは指定する継続教育の一定の受講が義務付けられています。認定マスターの呼称は、一定の実務能力を備え、それを維持し続けていることの証しとなります。
※不動産証券化協会認定マスターとして認定されるためには、金融や不動産の分野で2年以上の実務経験が必要です(不動産証券化実務である必要はありません)。なお、マスター養成講座の受講に当たっての条件等はありません。
【継続教育】
マスター資格制度は、単に資格を付与するためだけに創設されたのではなく、市場の健全な発展を担う人材育成のための教育プログラムとして創設されました。そのため認定マスターには、資格認定後も継続教育プログラムの一定以上の受講が義務付けられています。
専門家は、顧客との信任関係のもとで、顧客の利益のために専門能力を充分に発揮し最善の努力をすることが求められます。認定マスターには、行動規範としての認定マスター職業倫理規程等を遵守し、専門家に相応しい公正かつ適正な行動が求められます。
【職業倫理】
認定マスターが、専門家として投資家など顧客から確かな「信認」を得ることこそ、市場に関わる者(認定マスター集団)にとっての利益である、というマスター資格制度の信念を示したものです。職業倫理行動はマスター資格制度の根幹に大きく関わるものであり、優れた実務能力と並んで車の両輪を成すものです。
【倫理行動モニタリング】
マスター資格認定者の氏名は名簿の縦覧などで一般に公表されます。また、5年ごとの更新時には、全認定マスターから更新者に対する意見を求めるピアレビューを行い、これを更新の倫理行動要件と定めて審査を行っています。
認定マスターには、将来のリーダーとして、市場の発展を担うという使命感が求められています。これを具現化するために継続教育では「相互学習」という考え方を導入しています。実務で新しく得た知識を自分ひとりのものにせず、業界の共有知識にすることの意義を前向きに認める価値観を認定マスターには求めています。これは、認定マスターが真のプロフェッショナルとして、業界と市場の発展に使命感を持つリーダーになって欲しいというマスター資格制度の理念でもあります。
認定マスターには、専門家として不可欠な幅広いネットワークの形成が求められています。不動産証券化協会ではマスター資格認定者への継続教育としてネットワークを広げるための機会を提供しています(2020年3月以降パーティ等は規模を縮小して開催又は開催を見合わせています)。不動産売買や仲介、投資分野の新たなビジネスネットワークの構築が期待できます。
芙蓉総合リース株式会社
笹岡 蒼太さん(M2109903)
自らのキャリアにおいて現物不動産に対する知見を得る機会はあったものの、ビークル(SPV)を活用したスキームに触れる経験が無かったことから、不動産証券化に関する知識を学び、顧客への提案の幅を広げたいと考え、本講座の受講を決意しました。実務を通じて一層の研鑽に励み、今後の不動産業界の発展に貢献していきたいと考えています。
三井不動産投資顧問株式会社(三井不動産株式会社より出向)
中西 友梨奈さん(M2009149)
弊社には、専門知識の維持・向上を目的とした資格支援制度があり、ARES マスターの取得も推奨されていたため本講座を受講いたしました。受講を開始すると、実務で触れながら頭の中で点在・散在していた事柄が、Course1 を通して体系化されていき、非常にすっきりしました。
西日本旅客鉄道株式会社
大厩 智也さん(M2110211)
不動産証券化に精通した人材育成が急務となっており、基礎となる知識を体系的に取得するべく、本講座を受講しました。コロナ禍を経て社会変容が急激に進行する中、今後も継続して研鑽に励み、不動産証券化を通じた西日本エリアの持続的発展に寄与して参りたいと思います。
近年、不動産投資運用の分野で活躍する女性実務家の増加を背景に、認定マスター制度でも女性の資格認定者が増加しています。不動産の運用管理の業務は女性にも向いているともいわれており、この分野で活躍する女性が増え続けています。
スターアジア投資顧問株式会社
(スターアジア不動産投資法人の資産運用会社)
取締役兼財務管理部長菅野 顕子さん(M2009506)
08:30 |
オフィス到着 始業前のウォーミングアップ |
---|---|
09:30-10:15 |
社内全体ミーティング 資産運用会社18名全員での週次の定例会議。 |
10:30-11:00 |
取締役メンバーでのミーティング 法定の取締役会とは別に、取締役メンバーで自由な意見交換。将来に向けた議論 |
11:00-11:30 |
物件ロールアップミーティング 取得候補物件について、今後検討を進めるかどうか、メンバーがそれぞれの角度から意見を出し合って議論します。現地を見てきた人の意見はとても貴重です。不動産は「足をつかって、現地を見て」という基本が大事だと再認識。 |
11:30-12:00 |
ミーティング議事録作成 朝に実施した社内全体ミーティングメモを見ながら、改めて議事録を作成します。一見重複している業務に見えますが、改めて議事録を作成することにより、頭に叩き込まれ、どんなときでも物件の直近の状況が頭に浮かび、質問されたときの回答に瞬発力が生まれます。 |
12:00-13:00 |
グループ会社のメンバーとランチミーティング 会議室にそれぞれランチを持ち寄って、グループ会社のメンバーとランチミーティング。 |
13:00-15:00 |
プレスリリースドラフト作成 この先、数件のプレスリリースを予定。各担当から各種契約書などの資料をもらい、ドラフトを作成。物件説明の文章を書く時間は、エンジンフル回転、脳みそフル回転、集中できる時間です。やろうと思えば永遠にやってしまうので、今日は2時間と決めて取り掛かります。明日フレッシュな頭でもう一度取り掛かり、ブラッシュアップする予定 |
15:00 |
他リートの適時開示の情報を確認。 この日は決算短信や決算説明会資料が公表されているので、時間をかけてじっくり確認。他リートの決算説明会資料の説明切り口が勉強になります。物件取得、借入条件など、読み込めば見えてくるものがあります。 緑茶を飲みながらちょっと休憩。 |
16:00-17:00 |
機関投資家とZOOMでミーティング ESG対応についてミーティングの申し入れがあり、サステナビリティ推進部長に同席を願い、ミーティング。ここ数年でESGに関する質問が急激に増えたことを改めて実感しました。 |
17:00 |
IR手元資料の手直し 先ほどの機関投資家とのミーティングでの質問事項を受け、データを整理して、IRミーティング時の手元資料の手直しをします。 |
19:10 |
本日の業務終了 帰る前にもう一度、他リートの適時開示が公表されているかを確認。 |
2016年4月に上場した総合型リートです。
東京圏を中心としたアセットタイプ分散型のポートフォリオを構築し、2022年1月現在では、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテルを合計60物件を運用しています。
資産運用会社はスターアジア投資顧問株式会社で、投資運用部、サステナビリティ推進部、財務管理部の3つの部署とコンプライアンスオフィサーで構成されています。
上場来、スターアジアグループの運用資産をベースとした外部成長と、抱負な経験とノウハウを持つ資産運用会社による内部成長の追求により、着実に成長し、資産規模を上場時から約2.9倍の約1,796億円(取得価格ベース)としました。
投資主利益第一主義追求のための施策として、「既成概念にとらわれない」アクティブマネジメントを継続的に実行しています。
一般的に「AM業務」とは、運用資産の運営管理が主業務ですが、Jリートは不動産運用でありながら金融商品です。
財務管理部である私にとっての最重要課題は「株価の維持向上」と位置付けています。金融マーケット、他リートの投資口価格やコーポレートアクションを比較検討しながら、日々の業界全体の変化を察知してIR戦略を立案することで、自分自身の成長にもつながっています。
さらには、不動産証券化協会認定マスターの資格取得によって、金融、会計、税制側面のみならず不動産管理運営に関連する知識を体系的に学んだことにより、リート運営に関してあらゆる側面からの議論に参加できるようになりました。
平和不動産アセットマネジメント株式会社
(平和不動産リート投資法人の資産運用会社)
オフィス運用部三宅 順子さん(M1707655)
08:50 | 出社 |
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09:00 |
勤務開始 前日に来ているメールや社内連絡事項を確認。 |
09:30 |
工事申請の内容確認 空調機の不調や漏水等、緊急対応が必要な工事申請から、耐用年数を向かえる大型の設備更新等に対して進捗状況確認を行います。 |
11:00 |
仲介業者向け内覧会 オフィスから近い物件のため徒歩で向かいます。歩きながら物件周辺の競合ビルになりそうなもの、近くにランチができそうな場所があるか周辺環境を確認しながら向かいます。 |
12:00 |
お昼休憩 平和不動産が開発したKABUTO ONEへ |
13:00 |
休憩終了 毎月送付されるPMレポートやBMレポートに目を通し指摘事項はないか、テナントからの入金が遅れていないか等確認します。その他にも、必要な工事や法定点検が行われているか確認を行います。 |
14:00 |
打合せ PM定例会議 |
16:00 | 午前中で終わらなかった仕事を中心に業務を進めます。 |
18:30 | 退社 |
J-REITにおけるアセットマネジャー(以下:AM)の仕事は、運用している不動産から得られる収益を最大化することです。
そして、J-REITに出資していただいている投資主の利益を最大化するために、運用計画を策定し、計画を達成するために様々な施策を実行しています。
私が運用する「平和不動産リート投資法人」は2005年3月に上場した、現在61社(2022/1末時点)あるJ-REITの中で13番目に上場した投資法人です。東京都区部中心のオフィスとレジデンスに投資をする複合型リートで、現在、オフィス36物件レジデンス80物件の全116物件を運用しています(2022/1末時点)。私はオフィス運用部に所属し、AMとして業務を行っています。
AMの主な仕事としては主に4つあります。
期末に翌期の運用計画を策定し、決定した運用計画を達成するために日々物件の管理・運営状況のモニタリングを行っています。例えば、稼働率が策定した計画より低い場合、テナントを誘致するためにプロパティマネジャー(以下:PM)と協議をし、内覧会を実施したり、ビルの内覧に来ていた頂いた方にいい印象を持ってもらうために内装変更や水廻りの工事を提案したりするなど、様々な施策を考えます。
また、不動産賃貸マーケットにおいて、募集している賃料が適正なのか、周辺の競合物件の状況や他物件で成約した事例等を共有し、PMと募集条件について期初に立てた運用計画と比較しながら適宜見直しを行っています。
前職の生命保険会社で不動産証券化商品の運用を担当したことをきっかけに、J-REITの運用会社へ転職しました。前職で資産運用の仕事をしていたので、金融の知識はあったものの、不動産やJ-REITのストラクチャーに対する知識がなかったことから、転職後に体系的な知識を得るために不動産証券化協会認定マスターを受講しました。証券化商品に関わる税制、法律、不動産の基礎知識を学ぶことができ、仕事を行う上で自分の役割を意識することができています。また、基礎知識をしっかりと身につけたことで自信にもつながりました。
平和不動産リート投資法人の運用方針として、“運用資産の着実な成長と中長期的な安定収益の確保を目指す”ということを掲げています。AMとして上記目標を達成するために、担当物件において、築年数が経ってもテナントに選ばれるよう良好な管理と資産価値向上のための適切な修繕を実施していくこと、また、テナント様に長く入居してもらえるようリレーションを強化し信頼関係を築いていくこと、投資主に対して安定した分配金を毎期配当し長期保有される銘柄になることを常に心に置いて、日々、AM業務を行っています。
ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社
(ユナイテッド・アーバン投資法人の資産運用会社)
財務部 兼 経営企画部貝畑 奈央子さん(M0801605)
現在、総合型J-REITのユナイテッド・アーバン投資法人の資産運用会社でIRと、ESG分野を中心とする経営戦略策定を担当しています。J-REIT業界に転職するまでは、不動産仲介会社でリサーチ、コンサルティングをしていました。不動産証券化マスターという資格の存在を知った当時、証券化スキームを用いた不動産投資は増加傾向にありました。私のマスター取得は、そうした不動産売買の内容、売買に参加している投資家を理解しようと勉強を始めたことがきっかけでした。マスター取得後もしばらくは直接的に不動産投資・運用の実務に関わることはありませんでしたが、不動産証券化市場が拡大する中、リサーチ、コンサルティングのスキルを活かしつつ、より実務に近いところで働きたいと思うようになり、他業界・他業種への転職を決意しました。
IRは投資家やレンダー等との対話を担うフロント業務です。対応すべき分野はポートフォリオの運用状況の他、不動産賃貸・売買市場、金融市場、保有物件のテナントが属する各業界等、非常に多岐にわたりますが、各分野の動向について常にアップデートしておく必要があります。経営戦略策定においても、不動産や証券化にかかわる制度、ESGにかかわる様々な動向への理解は不可欠です。そういう意味で、マスター取得のために勉強したことはもちろん、不動産証券化協会から継続教育の一環としてマスターに提供されている幅広い分野の情報や研修は、適時開示や年2回の決算発表後に行う投資家との面談、投資家からの電話やメールでのお問い合わせに対応する際の“必修科目”と感じています。
マスター取得の甲斐もあり、他業界・他業種の仕事でもスムーズにスタートすることができました。現職に就いてから約3年半(2021年12月末時点)になります。マスター資格はご自身のキャリアパスの可能性を拡げることに繋がります。ぜひマスター取得にチャンレンジしていただき、今よりも更にご自身が活躍できる道を切り拓いていっていただきたいと思います。
三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社
(日本ロジスティクスファンド投資法人の資産運用会社)
財務企画部金子 智衣さん(M1707169)
私はJ-REITの資産運用会社で資金調達を担う財務企画部に所属しています。J-REITは投資家・借入先からの投融資で不動産を取得しているため、資金調達は不動産運用の継続、資産規模の拡大において重要な役割を担っています。投資家・借入先に対してIRを実施し丁寧なコミュニケーションで信頼を得るとともに、情報の非対称性を解消して資本コストの低減を図ることが財務企画部の主な役割です。また、投資家・借入先からのフィードバックを経営に反映し、事業戦略の見直し・改善を行うことで企業価値の向上を図る役割もあります。
当社の財務企画部では戦略立案と投資家・借入先への説明等一連のIR業務を行っており、私自身も全般的に業務に関わっています。IRのやりがいは、投資家・借入先との信頼関係を構築するための戦略の立案と丁寧なIRを実施することで、中長期的にはJ-REITの企業価値の向上という形で結果が見える点だと思います。投資家・借入先の期待と市場動向・自社の立ち位置を把握しながら戦略を立案し、戦略に従って着実に目標を達成していく、そして説得力を持って運用状況を伝えることを意識しながら業務を行っています。
私は証券業界からJ-REIT業界に転職しており、当初は不動産に関する知識はほとんどありませんでした。証券アナリストや簿記2級の資格を取得しているため金融・簿記の基本的な知識はありましたが、不動産運用では独特の経営指標や税法が用いられるため戸惑うことも多かったです。不動産証券化協会認定マスターの資格取得のなかで、金融・簿記の基礎的な知識を不動産運用に活かす方法や、不動産ファンドに関する基本的な知識を網羅的に学ぶことができました。
J-REIT業界に転職してきて柔軟な働き方や従業員教育をサポートする会社が多いと感じています。私自身も在宅勤務や時差勤務を始めライフスタイルに合わせた働きやすい環境を整えたり、会社の教育制度を積極的に活用するなど充実した働き方ができています。また、不動産に関する専門的な知識を幅広く身に着けられることも大きな魅力です。これからJ-REIT業界を目指す方々もご自身のライフスタイルやキャリア形成に適した会社が見つけられることを願っています。
イオン・リートマネジメント株式会社
(イオンリート投資法人の資産運用会社)
資産管理部北山 麻樹さん(M2109670)
私は、商業施設型リートの期中管理部門に在籍しています。期中管理部門の主な業務としては、年度管理計画の作成と予実管理、資金移動や各種支払い、投資対象不動産が適切に維持管理されているかの確認、PMやBMなど不動産の維持管理にあたる関係当事者との協働およびその業務モニタリング、各種レポーティングなどがあります。
私がやりがいを感じる場面は、商業施設の現地確認の際、施設利用者が笑顔で過ごされているのを見た時です。アセットマネージャーの役割は、投資家の利益を最大化することにありますが、それは利用者にとって心地いい施設を実現することと密接に関連するはずです。お客さまであれば楽しく買い物できる、従業員の方にとっては楽しく働ける、今後もそんな商業施設の実現を目指していきたいです。
さて、今回女性マスターとしての特集ということですが、私の所属する会社の女性比率は約30%と、50%にはまだまだ届かないものの、全国平均を上回っています。私の所属する期中管理部門は、年間のスケジュールが比較的決まっている方なので、様々なライフイベントに直面することが多い女性にとって、そして女性に限らず多様な働き方を求める皆様にとって、働きやすい職場かと思います。にも関わらず、前述の通り現状女性はまだ少数派ですので、これから皆様にご活躍いただく余地は大きいと考えます。
不動産証券化協会認定マスターは、不動産と金融分野にわたる幅広い実践的な専門知識を有することを証明する資格です。資格を取得するために必要とされる養成講座では、不動産、金融、法律、税・会計制度など幅広い内容を体系的に学びますが、これらの内容は全てアセットマネージャーの実務に役立つ知識です。また、資格取得後も継続的教育の制度があり、最新の動向に常にキャッチアップできることも魅力です。マスターとしての高度な専門知識は、ご自身の活躍の場を広げるのにきっと役立つことでしょう。皆様のそれぞれのご活躍をお待ちしております。
三井不動産投資顧問株式会社
(三井不動産プライベートリート投資法人の資産運用会社、不動産私募ファンドのアセットマネジメント会社)
海外事業部 兼 投資営業部 兼 ストラクチャード・ファイナンス部福原 理子さん(M1204892)
2年ほど前から、三井不動産投資顧問株式会社で、私募リート用および私募ファンド用案件の取得業務と私募ファンドの投資家営業業務に従事しています。動産でビル用地の取得業務を実施しておりましたが、不動産本体とは違う投資顧問会社での面白さと難しさは、投資家のお金で案件を取得し、運用する点です。投資家毎に違った案件趣向、好みのシナリオ、重視するリターンのポイントがあり、案件毎にどの投資家がこの案件を好むか?を当てはめていく仕事は、日々の投資家とのコミュニケーションが全てです。用地取得にあたっても、スポンサー以外の仕上げた稼働案件の取得に向けて、他社や他ファンドとの幅広い方々とのコミュニケーションが必須になってきます。同業者はもちろん投資家でも女性が少なく、取得業務は女性に向かないのでは?と思われがちですが、すぐに覚えてもらえることに加えて、人を紹介してもらったり、懇親会へお声がかかったりというのも、普通の男性社員よりも多いと感じています。今は、珍しいことも強みにつながると信じて日々仕事に従事しています。
最後に、私はマスター取得により、当社への出向の機会を得、自らのキャリアの幅を広げることができたと感じております。皆さんも是非マスター取得を通して自らの活躍の幅を拡げていただきたいと思います。
以下の条件を満たす必要があります
※上記のほか、認定には法令等の遵守誓約や氏名公表の承諾が必要です。
マスターとして資格認定されるためには、不動産証券化に関する知識やスキルの修得のために「マスター養成講座(知識編:Course1・演習編:Course2※)」を全て受講し、修了することが必要です。
※Course1修了試験(毎年11月実施)に合格した方がCourse2を受講することができます。
【Course1修了試験】
Course1で学習する5科目の教材を出題範囲としてマークシート方式(四肢択一問題、100問)で試験を行います。合格には、5科目の合計得点が当年度の合格基準点以上でありかつ各科目の得点が一定基準を満たしていることが必要です。
マスター養成講座は、「知識編:Course1」と「演習編:Course2」で構成され、不動産証券化に関わる専門家として身につけるべき実践的な知識や能力を体系的に効率よく修得することができます。不動産証券化に関する学習内容は、不動産や金融に関する基礎知識はもちろん、不動産の投資分析をはじめ、関連する法律、税・会計制度やファイナンスの知識など多岐にわたります。宅建士や簿記検定、証券アナリストの学習経験者は比較的スムーズに学習を開始することができます。
知識編
Course 1
Subject 101
不動産証券化の概論
Subject 102
不動産投資の実務
Subject 103
不動産証券化商品の組成と管理
Subject 104
ファイナンス理論と投資分析
Subject 105
不動産証券化と倫理行動
演習編
Course 2
Subject 201
【実務演習】不動産投資分析
Subject 202
【実務演習】不動産ファイナンス
Subject 203
【実務演習】不動産証券化商品分析
「不動産証券化協会認定マスター」として認定されるためには、金融や不動産の分野で2年以上の実務経験が必要です。
※実務経験は「不動産証券化」の実務である必要はありません。金融や不動産の分野に広く関係する業務を実務経験として認めています。
※2年間の実務経験要件が充足されない方(実務経験要件のみ未充足の方)は、マスターに準ずる資格の「一般社団法人不動産証券化協会認定 アソシエイト」として認定します。